MPS認証取得・継続に 向けた取り組み
当社は創業以来、「安全で高品質な花をお客様にお届けする」ことを理念としてきました。2000年代に入り、環境問題への関心の高まりや、消費者の安全・安心への意識の高まりを強く感じるようになりました。花き業界においても環境負荷低減やトレーサビリティの確保が重要な課題となっていくと認識し、認証取得を検討し始めました。数ある認証制度の中でMPSを選んだのは、花きの生産から流通までを包括的にカバーしており、国際的にも広く認知されていたからです。
特に、トレーサビリティに特化したMPS Florimark Trace Certは、当社の事業内容に合致していました。2008年当時は、国内の花束加工業ではまだMPS認証を取得している企業がなく、先駆者としての責任を感じつつも、業界全体の発展に貢献できると信じて取り組みました。
MPS Florimark Trace Certでは、仕入れた花きの生産者情報、品種、産地、入荷日、加工日、出荷日などの情報をロットごとに管理しています。これらの情報はデータベースで一元管理されており、必要に応じて迅速に追跡調査が可能です。例えば、お客様から特定の花束に使用された花について問い合わせがあった場合でも、迅速に生産地や生産方法などの情報を提供することができます。認証取得前は、これらの情報管理が手作業で行われていた部分もありましたが、認証取得を機にシステム化を進め、業務効率の向上にもつながりました。また、情報管理の徹底により、品質管理の精度も向上しました。
MPS認証取得後、取引先からは「信頼できる企業」という評価をいただくことが増え、新規取引の機会も増加しました。消費者の方々からは、「安全・安心な花を選べる」という声や、「環境に配慮した企業の商品を選びたい」という声をいただくようになり、企業イメージの向上に大きく貢献しています。社内では、従業員の環境意識や品質管理への意識が高まり、業務に対する責任感も向上しました。MPS認証花き生産者のサポートという点においては、情報共有などを通して、生産者の方々の環境負荷低減への取り組みを支援しています。これらの取り組みを通して、花き業界全体の持続可能性に貢献できていると感じています。
MPS認証の維持・更新には、定期的な監査への対応や、基準の変更への対応など、継続的な努力が必要です。特に、当初は情報管理体制の構築に苦労しました。従業員への研修を徹底し、システム導入をスムーズに進めることで、課題を乗り越えてきました。また、最新の情報を常にキャッチアップし、社内体制を適切に更新していくことも重要です。
今後もMPS認証を継続し、当社の事業活動における環境負荷低減に努めていきたいと考えています。また、MPS認証の普及を通して、花き業界全体の持続可能性に貢献していきたいです。具体的には、他の企業への情報共有や、消費者への啓発活動などを積極的に行っていきたいと考えています。また、新たな認証制度や技術にも注目し、常に改善を続けていくことで、より安全で環境に優しい花き流通の実現に貢献していきたいと考えています。